「身体表現性障害」は頭痛、耳鳴り、喉の違和感、慢性的な痛み、全身の怠さなどの自覚症状が存在するにも関わらず、内科・外科・耳鼻科などの検査で異常所見が認められないことが特徴です。症状は体のさまざまな場所に出現し、しばしば変化します。また、体に力が入らなくなり、全身がけいれんすることもあります。
そうした症状のために仕事、学校や家庭などにおける日常生活に支障が出るようになります。不安やストレスに気がつきにくく、我慢強く自分を抑えて周囲に合わせ過ぎたり、自分の感情をうまく言葉で表現できなかったりする人に多いと言われています。
また、患者さんの中には、身体の病気を疑い、医療機関を転々として、精神科や心療内科受診に至るまでかなりの時間がかかってしまう方もいらっしゃいます。
なぜそのような症状が出現しているのかをご自身で理解、納得することが必要であり、当院では、医師による精神療法や必要に応じた薬物療法(抗うつ薬、抗不安薬、漢方薬)に加えて、心理士によるカウンセリングを行うこともできます。