こんな症状はありませんか?
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、その名の通り不注意と多動性、衝動性といった特徴を伴う発達障害です。
- すぐに気が散る、集中できない
- 約束や期日を守れない
- ケアレスミスが多い
- 単純作業が苦手
- 長時間じっと座っていられない、立ってしまう
- 人の話をじっときいていられない
- 人の話を遮ってしまう、喋り終わる前に答えてしまう
- 思いつきで考える前に行動してしまう
- 人のものを無断で借りてしまう、使ってしまう
- 順番を守れない
ADHD(注意欠如・多動性障害)とは
ADHDにおける不注意や多動性、衝動性とは、具体的に以下のようなことを指します。
不注意
- 学業や仕事におけるケアレスミスが多い
- 何かに集中すべき時間に、その集中力を維持できない
- 1対1で声をかけたのに、聞いていないように見える
- 物事を計画立てる、順序だてることができない
- 忘れ物、紛失が多い
- 重要な約束事なども忘れてしまう
- 上司や先生の指示に従うことが難しい
多動性・衝動性
- 長時間じっとしていられない
- 同じ姿勢でいるとそわそわ、もじもじする
- 会議中、授業中などに立ってしまう
- 静かに遊ぶことができない
- そうすべきない状況で走り回る、高いところにのぼる
- 不適切な状況で喋り過ぎる
- 人の話を遮ってしまう、喋り終わる前に答えてしまう
- 順番を守れない、順番抜かしをしてしまう
- 人の状況に配慮せず話しかけてしまう
ADHDの原因とは?
「親のしつけの悪さ」
「育て方」は原因にならない
ADHDの原因は、はっきりしたことは解明されていません。しかし、生まれつきの脳の機能異常が関係しているのではないかと考えられています。
具体的には、人として一般的に望ましいとされる行動をするための機能を担う「前頭前野」の機能調整の偏り、脳内の神経伝達物質の不足などが挙げられます。
なお、親の育て方がよくなかった、愛情が足りなかったということで起こるものではありません。
ADHDと自閉スペクトラム症の
違い
ADHDと自閉スペクトラム症は、医学上は明確に区別されています。
しかし、(特徴は異なるけれど)実生活で生じる困難が似通っていることから、診断においても、その判断が難しいことがあります。
たとえば、ADHDでは不注意で、自閉スペクトラム症では重要度を認識することが難しいことで、忘れ物が多くなってしまうことがあります。同様に、ADHDでは多動性や衝動性で、自閉スペクトラム症では人との適切な距離感を理解しづらいことで、初対面なのに馴れ馴れしいと感じられることがあります。
また、ADHDと自閉スペクトラム症が合併することが多い点にも注意して、診断を行います。
ネット上のチェックリストなどを利用して「ADHDなのかな?自閉スペクトラム症なのかな?」と迷ったときには、なかなか答えが出ないと思います。まずはお気軽に当クリニックにご相談ください。
大人になってから感じる
生きづらさはADHDだから?
ADHDは、生まれつきの脳の機能異常を原因として起こるものと考えられています。しかし、その特徴は生涯一定ではありません。
特に不注意においては、大人になって顕在化することが多いと言われています。また、社会人は学生時代よりも厳密に、厳しく責任を問われる立場になることも、特徴が表面化しやすい原因となります。
それまで「ちょっと変わった人だな」と思われ大きな問題にならなかった特徴が、仕事上で“ミス”となり「どうして約束を守れないのか」「話をきいているのか」と厳しく叱責されたことで初めて明確に自覚し、受診に至るというケースが少なくありません。
ADHDに伴う「生きづらさ」を自力で改善・解消するのは困難です。治療を含めた包括的なサポートを受けるためにも、ぜひ一度当クリニックにご相談ください。
ADHDの治療法
ADHDに対して、当クリニックでは主に以下のような治療を行います。
薬物療法
脳機能に働きかけ、特性に伴う症状を軽減することを目的としたお薬を処方します。症状が和らぐことで、周囲の人たちとうまく関係を結ぶトレーニングなどにも取り組みやすくなります。
心理社会的治療
環境調整
生活リズムの見直し、周囲への理解・協力の獲得など、患者さんの生活環境を整えます。ご家族、学校や職場のサポートも重要です。
日常生活や学業、仕事に取り組みやすい環境をつくります。
心理療法
ADHDの特性やそれに伴う症状についての理解を深めます。特に、自分の努力不足が原因ではないことを明確に意識することが大切です。
現状を把握した上で、どのように対処すべきかを学んでいきます。